「買った最初は楽しくてツーリングなども盛んに行っていたのだけど....車両が大きくて気軽に乗れなかったり
動かすのもひと苦労になってきて.....コンビニ行くんでもサッと取り廻せそうなブレイクアウトか?若しくはフォーティーエイト辺りのスポーツスターに乗り換えようかと...」と売却に至る経緯を教えて下さったオーナー様。
奇しくも買替対象に上がったブレイクアウトとフォーティーエイトは、コロナ禍で新車供給が細った事を受け中古相場が上昇しているハーレー全体の中でも上昇幅が特に著しい2大車種です。
今回査定させて頂くトライクも例に漏れず相場が上がっており、中古需要の高まりに加えて、二輪免許ではなく普通自動車免許でも乗れる点から自動車層から需要も取り込んで好調な相場を魅せています。先ずはFLHTCUTG トライグライドウルトラの買取相場からご紹介させて頂きます。
相場が上昇に転じたFLHTCUTG 103
2014年モデル展開でトライグライド ウルトラがラインナップ入りししたことで、ハーレーのファミリーに新しくトライクというカテゴリが誕生。
登場モデルではTwinCam103エンジンを搭載していたFLHTCUTGですが、2017年モデルではMilwaukeeEight107エンジンが搭載され、2017年モデルではMilwaukeeEight114エンジンが搭載され既に2度のモデルチェンジが果たされています。
そのためトライグライド ウルトラには下記3つの排気量が存在し、各々買取相場が異なります。
2014~16年モデルのFLHTCUTG103
2017~18年モデルのFLHTCUTG107
2019~現行21年モデルのFLHTCUTG114
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データを見ると。
FLHTCUTG103の取引額の推移を見ると、FLHTCUTG107の登場によって型落ちとなった2017年から下落に転じましたが、2020年から上昇に反転しています。これは上述の通りコロナ禍による中古需要の高まりが大きいです。
実働車は直近1年間に5台が取引されおり、最高額は296万円、最低額は182万円とワイドなレンジで取引されていますが、全5台のうち4台は250万円以上で取引されており、251万円が平均取引額となっています。
内訳を見ると、最下位の182万円で取引された個体は走行距離5万キロ超でエンジン状態に難があり使用感の強い車両となっているます。
250~296万円で取引された4台は、いずれも走行距離5,000~10,000km程度の極上車となっており、距離が比較的若い極上車であれば250万円以上の金額で取引されることが想定できます。
250~296万円で取引されている4台には最大で40万円以上の価格差が付いていますが、注視すると4台とも総じてほぼフルノーマルの極上車であり特段有意な差異は見当たりません。
仕入れ側である販売店の立場から見ても、納車整備に掛かる工数が同じで、販売価格を差別化する個体差も特段見当たりません。
ではなぜ?40万円以上も取引額に差が出るのか。その理由を一言で片づければ需給です。年間に数百台も取引される人気車車であれば適正額で買えるチャンスはすぐにやってくるので起こらない現象ですが、 数カ月に1度しか出回らないため、市場に出たタイミングで買い手である販売店が競ると値段が跳ねることがあります。バックオーダー(最終顧客の注文)を受けての入札が重なれば値段は相当に跳ねていきます。
この現象はしばしば起こり、例えば原付バイクのNSR50やモンキーの未走行車が数百万円で取引される事例は、最終顧客であるアラブの王族のバックオーダーを受けた貿易業者が競った結果であったりします。
話が脱線したので....FLHTCUTG103の相場を纏めると。走行距離1万キロ未満の極上車であれば250万円以上での落札は見込めるが、それ以上は幾らになるかは蓋を開けてみないと分からない。となります。
以上の買取相場を踏まえて、査定内容と買取額についてご紹介させて頂きます。(※上記の取引額は、買取業者の転売額=販売業者の仕入れ額に相当するため、200万越えの高額車両の買取相場は97%掛け相当となります)
【FLHTCUTG 107】業者間での取引価格の推移
【FLHTCUTG 103】業者間での取引価格の推移
【FLHTCUTG 103】業者間での取引価格帯
系列の中古ハーレー販売店の強みを生かした買取額
シャッター付きのガレージ内での保管されていたので艶感は文句なしに極上と言えるトライグライドウルトラの2015年モデル。
ミステリアスレッドサングロの外装、クローム塗装のエンジン回りはもちろん、ステップ回りまで綺麗な外観を保持されています。
足回りやフォークの内側など、手が入りにくく洗車も面倒な個所には、目につきにくい部分に錆びや変色などの使用感が出ています。外装の評価点を6点とすると足回りなどは5点といった判定です。
エンジンの機能自体は良好でしたが、エンジンの下部にオイル滲みが見られます。修理を要するほどの量ではないため軽微でありますが査定では減点対象となります。
総合評価は、細部に手を入れ磨きをかけて極上車になる準極上車判定です。
カスタムは、タンクキャップに社外品、リアボックスにハンドレールとモールが取り付けられており、軽いカスタムが施されていますが、 高額な車両価値を考えるとカスタム内容は微々たるもので査定の評価としてはフルノーマルと言えます。(ハーレーの中ではカスタムパーツが異例に少ないトライクシリーズ。現状ではカスタムによる大きなプラス査定が期待できるのはショップ仕様などオリジナル系カスタムとなりそうです)
走行距離は1.78万キロ。トライグライドウルトラ103の中古車としては相対的に多いと言えます。
上段でも述べた通り、250万円以上の転売額が見込めるのは走行1万キロ未満の極上車となっていることから、悩ましいところです。
状態と走行距離を鑑みると業者間市場での取引額は240~250万円想定です。(買い手が競って伸びる可能性もありますが、誠に残念ながら不確定要素は考慮することが出来ません) 踏まえると査定額は235~240万円程度が勝負の限界となるところですが。。
弊社系列店に単店舗ベースで日本で一番中古バイクを売っている販売店があり、そちらでの再販も視野に入れつつ245万円の査定額ごを提示して買取させて頂きました。
【2014~16年モデル TwinCam103】
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 5台
- 平均価格: 2,516,400円
- 最高価格: 2,962,000円
- 最低価格: 1,826,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 1台
- 平均価格: 1,501,000円
- 最高価格: 1,501,000円
- 最低価格: 1,501,000円
相場情報:2021年11月18日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。